【読書】たった一言で人生観が一変!小説家「琴線に触れる言葉」まとめ

2022年6月12日

 
 
心にわだかまるモヤモヤも、小説家のウィットに富んだ言葉選びで代弁してもらえたとき、たちまちスーッと軽くなることがあります。
そんな、たった一言で人生観をガラリと変えてしまうような、格言・比喩をまとめました。
ちょっとした息抜きにどうぞ!
 
 

劉磁欣『三体』(早川書房)

張援朝は、
きのう退職手続きを終えて、
四十年以上勤めた化学工場をあとにした。
 
隣人の老楊の言葉を借りれば、
きょうから彼は、二度目の少年時代をはじめるのだ。
 
 
 

ホルヘ・ルイス・ボルヘス『砂の本』(集英社)

あの地方の町は、
どれもこれも似たりよったりだ。
 
それぞれ、
ここだけはちがう、
と思いこんでいる点までもな。
 
 
 

向田邦子『向田邦子ベスト・エッセイ』(筑摩書房)

前の晩にテレビで見た野球の試合を、
朝必ずスポーツ新聞を買ってたしかめる人を、
 
「勿体ないじゃないの、お金と時間の無駄使いだ」
と言ったことがあった。
 
その人は私の顔をじっと見て、
「君はまだ若いね」と言った。
「野球に限らず、反芻が一番たのしいと思うがね」
 
 
 

向田邦子『向田邦子ベスト・エッセイ』(筑摩書房)

半端に貯金するくらいなら、
自分自身にもとでをかけたほうが
あとになって得なのよ
 
 
 

ハーマン・メルヴィル『白鯨』(講談社)

時として奇妙なことには、
ある人間は、
この宇宙全体を一場の大きな冗談だと考える
 
 
 

ハーマン・メルヴィル『白鯨』(講談社)

おぼれてゆくまえに
顔を洗っとかぬと気がすまぬ
というやつまであるほどさ
 
 
 

村上春樹『走ることについて語るときに僕の語ること』(文藝春秋)

借り方が圧倒的に多く、
貸し方がろくすっぽ見あたらない、
僕という人間の気の毒な賃借対照表
 
 
 

F『いつか別れる。でもそれは今日ではない』(KADOKAWA)

なにか良いことをされて「ありがとう」ではなく
「すみません」とか「ごめんなさい」と反射的に言ってしまう人は、
きっと人知れず苦労したことがあるのだろう。
 
「なるほど」が口癖の人は超越的だし、
「要するに」が多い人は仕切りたがりでせっかちだ。
そのまんまだ。
 
 
 

ロビンヘムリー『食べ放題』(白水社)

見聞きなり経験なりが、
いずれ何かの何かの役に立てばそれでいいのだ。
 
ジェラルドは、
偶然の出来事が積もり積もって山になったところを登る想像をした。
 
それなりに峰に達して見おろせば、
通ってきた道くらいはわかるだろう。
 
 
 

平松洋子『下着の捨てどき』(文藝春秋)

水洗いが終わると、
ざるのなかの牛すじは風呂上がりのようにすがすがしい顔になっている。
 
 
 

アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮社)

心の不調ほど
軽く見られている健康問題はない。
 
 
 

村上春樹『騎士団長殺し』(新潮社)

「どう、十分硬くなったかしら?」と彼女は尋ねた。
「金槌みたいに」と私は言った。
「釘だって打てる?」
「もちろん」
 
 
 

カフカ『アメリカ』(講談社)

お若いかたはいつでもしたくができています。

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Posted by CODY